国の天然記念物として大切にされるはずの「宮古馬」
その宮古馬が沖縄宮古島の現地で酷い飼育環境に苦しんでいます。
もう、見ていられません(´;ω;`)
少しでも現状が拡散され、改善されることを願い記事にすることにしました!
宮古馬の虐待は3年以上前から始まっていた
3年前、日本を縦断する旅行者の方のblogで悲劇は発覚しました。
体は汚物だらけ。
あちこち皮膚病になったのか
栄養失調か…毛がなくて
ただれている。
回りは、汚物だらけで異臭。
たまに、眼を開けるけど…
何処を見ているんだろう。
近くには人が居なく待っても
時間を空けて
また来ても同じ状態で
エサをもらっている気配もない。
動物虐待だと思う。
どうやったら助けてあげられるのですか。
この事実を知ってほしい…。
この事をみんなに知ってもらって
この子たちを助けてもらいたい…。
拡散させて欲しいです。
お願いします。
このblogの内容と写真に衝撃を受けました。
何とかしたい!・・
でも、愛情をもって飼育している牧場もあり、飼育者個人を特定する事にもなり、情報公開は慎重にならざるを得ませんでした。
宮古馬虐待の原因は「補助金の打ち切り」だった
宮古馬は大切な国の天然記念物です。
そして所有権は宮古市にあり、飼育者は市から委託を受け、補助金を受けて飼育をしています。
所有権は宮古市にあるのですが、運営は『保存会』が実権を握っているそうです。
その保存会が2015年に、高齢に宮古馬は保存の対象から外すことを決定しました!
保存の対象で亡くなる=すなわち補助金も支払われなくなったのです。
お金がもらえなければ飼い殺し??
そんな人に何故保存会は飼育委託をするのか!
そして保存会の運営の経費削減の為に宮古馬が犠牲になる・・
なんて本末転倒な事態でしょう・・
助けることが出来なかった宮古馬「カイトくん」
カイトくんとは、悪質な飼育者の元で生まれた宮古馬の仔馬です。
生れて1カ月後に母馬が無くなりました。
それなのに飼育者は1週間もカイトくんを放置したのです!
「ミャークヌーマ 宮古馬の会」さんが早急に対応してくださり、1命をとりとめました。
報せを聞いて駆けつけたときにも、ミルクを一週間飲んでいないので、もう生きてないだろう、と覚悟。
到着すると、義理のお父さん馬が守るようにして、カイトは生かされていた。よかったー!と喜ぶ。骨と皮でも生きていた。
でも飼育者がその飼育環境を改善することはありませんでした。
以下、 「ミャークヌーマ 宮古馬の会」からの引用です。
たいへん悲しいお知らせがあります。
悲し過ぎて、どうしていいかわからないほどのことですが、お伝えしなければいけないことです。
あのみなしご仔馬が今日のお昼頃、亡くなりました。
名前はカイトくんと言いました。...
仔馬はどの子も可愛いですが、なにか特別な愛らしさの子でした。
甘えるとかではない、ただ、その存在が特別でした。
これまで宮古島の飼育者間のこともあり、荷川取さんたちの立場を考え伏せてきたことがたくさんあります。
一番は不適格飼育者のもとに居る馬たちのことです。
ほんとうはその事実を一番に出したかったのですが、こうしたことを明らかにすると、その馬たちには、飼育者や市からまた二次的災難がふりかかるのではないか、と慎重にならざるを得ない事情もあり、宮古島で起きているほんとうの劣悪な状況を書くことを控えてきました。
カイトくんの名前を出すと、飼い主が特定される、そうすると、そこの馬たちへ不利益が及ぶこともある、とその理由でカイトの名前も伏せてきました。
それが起こりかねない宮古島の馬事情はほんとうに苦しく、心が持たないほどの実態です。
これまではカイトくんたちをなんとか救うために慎重に伏せてきました。
でも、そのカイトが、信じられないことですが、もう居ないのです。
いまこそ、開いていくときです。
ここからは箇条書きにさせていただきます。
文面にしていると感情があふれてしまいそうで。箇条書きでもあふれてますが;;・カイトくんの死の経緯
カイトくんの飼い主の馬場の柵の一部に穴が開いていて、幼いカイトはそこから度々外に出る。
でも近くに居るだけで、ちゃんとまた戻っている。
それを嫌った飼い主がカイトを短い綱で結ぶ。
小さなその穴を繕えばそれで済むこと。それをせず、カイトを縛る。
その繋ぎ飼いが原因でカイト骨折。
適切な治療なく見る見る弱り、本日12/11死亡。この飼い主は昨年も母馬と仔馬を衰弱死させている。
それにも関わらず、宮古馬保存会はその後、新たな母馬をそこへ連れて行く。
母馬はカイトくんを産んだ後、栄養不良によると思われる衰弱死をする。
そして今回はカイトくんを繋ぎ飼育により死なせる。要するに、二年続けて、母子馬合計4頭を間違った飼育により死なせている。
保存会は、そうした不適格飼い主に馬を与え続けている。
飼い主はもとより、これは宮古島市の責任。沖縄県の責任。
いまは、残された一頭、カイトくんを育ててくれた義理のお父さん馬が心配される。
カイトくんは、今年5月末、母馬が亡くなった後、生後一ヶ月で一週間放置される。
飼い主は外からの手出しをきらうため、ボランティアたちは、隠れるようにしてカイトのミルクやりに通う。
保存会にはこうしたときの常備レスキュー品は皆無。
用意するように要請するも、動かず。仔馬を見に行くことも無し。飼い主への指導も無し。
そもそも命を救うのに、なぜ隠れるようにしてのレスキューをしなければならないのか、市はなぜ、そこに指導をしないのか。
ボランティアがいなかったら、この時点でカイトくんは死んでいた。FBページでこの事情を知った北海道のUさんが迅速に寄付を募り、全国の方のご好意により用意できた仔馬用のミルクやレスキュー品を届けてくれる。
ボランティアの方々の努力により、カイトくんは元気に成長。愛くるしい姿を見せてくれた。
やっと大丈夫、と安心の時期にはいる。
走り回りたいさかりの仔馬、破れた穴からしばしば脱走。でも遠くに行かず、近くで遊ぶ。
カイトの飼い主はそれを嫌い、穴を塞がずカイトを縛る。その綱で骨折。
死亡。二年続けて、母馬二頭、仔馬二頭を死なせている、この飼い主からは馬を取り上げなければいけない。
二度と飼育させてはいけない。
いま残っている馬も取り上げなければいけない。
しかし、いまの宮古島には場所、飼い主ともいなく、もっと酷いところに移動させられる危険性も高い。
残ったお義父さん馬も、保存会が決定した、天然記念物の保存を外す条件に該当する馬。
飼い主は論外、すべては行政にその責任の所在がある。
一事が万事、立ち行かない宮古馬事情。このカイトくんの飼育者の他、もう一者、不適格飼育者がいる。
この飼育者は、4年半の間、短い綱で馬を縛りつけ、糞尿まみれで10頭のうちほとんどを衰弱死させている。
3年前の旅行者のブログにその実態が写真とともにアップされた。
二ヶ月前にもそこでは一頭が死亡。
残った3頭が、糞尿の池の中にいまも押し込められている。
飼育者の不適正さは指摘してもなにも問題は解決できず、
問われるべきは、
こうした飼育者から馬を取り上げることなく、次々とその命が無駄に落とされるのを見逃し、対策をとらないで来た担当課の無策。
今回のカイト、ウプカジの死で現在頭数40頭にまで落ち込む。
絶滅が危惧される。宮古島市、沖縄県の見識を疑う。
ーー
荷川取牧場での馬の姿は宮古島では特別の楽園です。
でもこことて、もう限界です。経済的に体力的に持ちません。
他に良心的な飼育者もいらっしゃいますが、ファミリーで放牧という姿はほかにはありません。
劣悪な環境で、馬を死なせるだけの飼育者もいます。
それが放置されている宮古島の馬事情。
これがほんとうの実態です。週刊SPAがその記事を書いてくれました。
どうぞお読みください。そして、天使のようだったカイト。
なにもかも間に合わなくてほんとうにごめんなさい。
その死を無駄にはしません。ウプ、カイト、
どちらも救える命でした。そして、実際、一度、カイトはその命を、全国の方のご好意で救われました。
カイトのために、たくさんの手を差し伸べてくださった皆様、応援してくださった皆様、ほんとうにありがとうございました。
みなさまのおかげで、カイトは元気に大きくなっていました。ほんとうに可愛いい仔馬でした。
まさかこんなことになるとは。無念過ぎます。島では馬の専門医はいなく医療体制はないに等しい。
唯一居る家畜の医師も、天然記念物である馬への診療後の保存会への費用請求の手続きの面倒から、馬はボランティアで、最低限に診てくれる程度。
そのためにウプカジは死に至り、
カイトは飼い主の身勝手で不適切な飼育により命を落としました。いまの宮古島で生きる、運命のもとに生まれてきたあなたたちが、その身を賭して、命に代えて、伝えてくれたメッセージ、それを人間たちは悟らなくてはいけないでしょう。
今度こそ、もうこんなことは終わらせなければいけません。
いまはただ、カイトの冥福を祈ります。
引用: https://www.facebook.com/miyakouma/posts/1943959772306559
宮古馬の実態を週刊SPA!編集部が取材
カイトくんが亡くなった当日、こちらの記事が公開されました。
もっと早く実態を明るみに出していればカイトくんは命を落とさずに済んだかもしれません・・( ;∀;)
週刊SPA!編集部さんが取材してく出さった記事がこちらです!!
以下 転載
宮古島で馬への虐待が発覚。糞尿まみれでやせ細って衰弱死、天然記念物がなぜ?
美しい海に囲まれた、沖縄県宮古島。ここに、天然記念物に指定された日本在来馬の「宮古馬」が43頭生息している。この馬たちが、虐待を受け絶滅の危機にあるという。現地からリポートした。
取材班は、天然記念物の日本在来馬である「宮古馬」が虐待され、絶滅の危機にあるという報を受け、宮古島へと向かった。そこで、虐待の実態を告発する写真を入手。写っていたのは、短い綱でつながれたまま、掃除もされない小屋の中で糞尿にまみれ、やせ細った宮古馬たちだった。
◆劣悪な環境で次々と衰弱死
「ある牧場では、この数年で10頭のうちほとんどが死んでいるんです。その原因には『凍死』もあります。この温暖な南の島で、いかに異常な飼われ方をしているか」と、宮古馬に詳しいA記者は語る。
「また別の牧場では今年の5月、不潔な環境で十分にエサを与えられず、母馬が衰弱死しました。残された仔馬が餓死寸前の状態でボランティアに発見され、何とか命がつながりました。しかしまた短い綱でつながれ、そのせいで骨折しています」
(※編集部注:その後この仔馬はさらに衰弱し、12月11日に死んでしまったという)
なかには、放牧して健全な環境で育てている牧場もある。
「しかしそれはほんの一握り。劣悪な環境で何年もつながれたままの馬もいたようです。これでは、本当に宮古馬は絶滅してしまう」(国連生物多様性の10年市民ネットワーク代表・坂田昌子さん)
なぜそのような状態になってしまったのか? ある飼育者はこう事情を語る。
「市は、馬の飼育を委託する飼育者に、1頭あたり月5000円を支払っています。しかし、それではエサ代の3分の1にしかならず、人件費までは賄えない。そのほか厩舎や馬場整備などにも多額の出費があるし、飼育者のほうも負担になるばかり。ある飼育者は、年間200万円を自己負担することになり、土地などを売って賄っていますが、もう限界ですよ。市は必要な対応をとってほしい」
市の予算のほか馬事協会からも飼育料が支払われ、1頭につき月8000円ほどが支給されるが、健康な馬を育てるには月1万5000円のエサ代が必要だという。
「ですから、ちゃんと宮古馬を増やそうとするとボランティアになってしまう。市は、責任を飼育者に丸投げしています。現在、仔馬がちゃんと育っているのは、島内でも1か所の飼育者だけといっていい。そこでは十数頭が放牧され、自然交配で仔馬が生まれていますが、近親交配の問題も出てくる。とはいえ、ほかの飼育者のもとで飼われている馬たちには交配の機会はなく、このことが頭数のなかなか増えない原因にもなっています」(坂田さん)
宮古馬は琉球王府時代、中国への大事な献上品であり、宮古島は良馬の生産地としても有名だった。今上天皇が皇太子の頃、乗用馬として献上されたこともある。日本には現在、北海道の道産子馬や、長野県の木曽馬など「日本在来馬」といわれる馬が8種生息する。宮古馬はこのうち2番目に少ない43頭で、絶滅を危惧される頭数にある。
つい数十年前までは、馬たちは日本国内の農村や山間部での苛酷な労働を引き受け、田畑の耕運、重荷の運搬、急峻な山道を分け入っての材木の運び出しなど、人間の暮らしを支えていた。しかし戦後になって自動車や農機具が急速に普及し、一気に不要の存在となっていってしまったのだ。
実際、戦前までは宮古島に1万頭ほどの宮古馬がいたが、’70年代には7頭に。しかし琉球大学の新城明久博士の調査をきっかけに’77年から保存対策が始まり、沖縄県指定の天然記念物となった。その流れを受けて「宮古馬保存会」が発足した。
◆一部の宮古馬を保存対象から外す!?
環境保護団体メンバーのBさんはこう訴える。
「宮古馬が短期間に次々と衰弱死していることが見過ごされているのが信じられません。保存が始まって最初に馬の死亡が確認された段階で、死因によっては所有者・所在の変更について検討をしなければならなかったはずです。県も市もこれまで放置し続けてきたということ。さらに保存会もまったく機能していないということです。さらにこの保存会は、’15年に宮古馬の天然記念物の指定を外す整理計画を始めました。市の負担を減らすため、一部の高齢馬は補助の対象から外そうということになったんです」
宮古馬保存計画策定委員会の委員のCさんは「種の集団維持には100頭は必要。保存集団が小さすぎると遺伝的に問題がある。県も100頭を目標としている」と疑問を呈した。しかしその意見は取り入れられることなく、市は’17年に一部の宮古馬の「保存除外」を決定した。ここでは「10歳以上の馬で、系統の行き渡った雄馬と、10年以上子供を産んでいない雌馬を天然記念物の指定から外し、それに対しては飼育料を払わない」と決定されたのだ。このままではさらに飼育者が苦しくなる。
このことを知った坂田さんが宮古馬保存の担当部署である宮古市生涯学習振興課に確認した。
「担当者は『保存馬の場合は、保存会が管理するという意味。保存馬から外した馬は、保存会が管理するのをやめて希望者に払い下げるという意味です』と回答しました。絶滅が危惧され、むしろ改善策が必要なのになぜ保存から外すといった話になるのか理解に苦しみます。同じ天然記念物の在来種である木曽馬は約200頭、御崎馬も約100頭いますが、それを保存から除外するなどという話は聞いたこともありません」
保存から外された馬は、どうなってしまうのか。A記者はこう危惧する。
「地元のリゾートホテルが、保存から外された馬を観光用に飼おうとしているようです。でも、天然記念物を一企業に渡してしまったら、経済的に回らなかった場合に行き場がなくなるなど、とても危険なのではないでしょうか。市当局は、とにかく財政負担になる“お荷物”の馬は早く滅んでほしいと思っているとしか思えません」
生物多様性条約でも「家畜と家禽の絶滅」が問題にされ、多様性の保護が重視されている。国連食糧農業機関(FAO)の世界の動物の遺伝子資源に関するリポートによれば、世界には6500種類の家畜が存在するが、そのうちの20%は絶滅の危機に瀕しているという。
「国連では、持続可能な動物資源の管理を進めるために、管理の実施と資金について、長期的な関与の必要性や相当な追加財源を投入する必要性が強調されています。宮古馬の管理は、現状ではこのような世界の動向に逆行しています」(坂田さん)
とはいえ、今は一部の飼育者に負担がかかっている状況。何とかいい方法はないものか……。
《健全に育てている一部の牧場では……!》
健康に育てられたごく一部の宮古馬は「海乗馬」として観光にも活躍している。
しかし、そのためにもまず宮古馬を保全し増やすことが最優先課題だ。健全な環境で放牧し、宮古馬を育てている牧場では、馬たちが幸せそうに遊ぶ姿を見ることができる。
取材・文/週刊SPA!編集部
※週刊SPA!12月11日発売号「宮古馬を虐待から救え」特集より
引用:U_LE5d6PnVGLn5oq-AbW9 https://nikkan-spa.jp/1533678?fbclid=
宮古馬の続報
追記です。(2018.12.13現在)